韻踏み
Mr.Childrenというバンドの面白味のひとつに桜井和寿による露骨な韻踏みがある。そのなかでも個人的に大好きなダークロックナンバー『DANSING SHOES』のBメロでの露骨な韻踏みを語りたい。
イントロから不穏なギターリフが続き、悲観的な歌詞が続く。そして1分20秒あたりのBメロから流れが変わる。
・1番
『後退りしたり(tari)』(並列助詞)
『地団駄踏んだり(dari)』(並列助詞)
『何このくだり!?(dari)』(形容名詞)
・2番
『サルバドール・ダリ(dari)』(名詞)
『ってちょっとグロくない?(nai)』
『普通じゃない感じがいい(gaii)』
『ari』『dari』『ai』で韻を踏んでいる。
徐々に韻踏みがステップアップしているのにお気づきだろうか。
・『したり』から『踏んだり』
同じ並列助詞だが、「たり→だり」 と濁音が付く。
・『踏んだり』から『くだり』
同じ"dari"
しかし「並列助詞→形容名詞」と変化球。
・『くだり』から『サルバドール・ダリ』
またもや同じ"dari"
しかし「形容名詞→名詞(人物)」に変化。
これは露骨。
・『サルバドール・ダリ』から『グロくない?』
ここで癖強めの変化球。
「"dari"→"nai"」 "a i"で韻を踏んでいる。
・『グロくない?』から『感じがいい』
「"nai"→"gaii"」ここでも"a i"で韻を踏んでいる。
この2つは意外と気付きにくいかもしれない。
そしてトドメの
・『We were born to be free.』
フリー("hurii")とこれまでの"i"が掛かっている。
なんなら『後退りしたり』『地団駄踏んだり』『何このくだり』『サルバドール・ダリ』の"ri"に『free』掛かっている。
初めて聴いた時は衝撃が走った。
『We were born to be free.』も踏んでいるのに気付いたのは追々だったが。
これら格段の韻踏みこそ、普段のMr.Childrenに散りばめられている言葉遊びなのだと思う。
流石、元落語研究会。
三十一
本日2023年5月10日は
Mr.Children31th Anniversary。
半世紀へのエントランスから早一年。
Mr.Childrenは、リスナーや支えてくれた方々への感謝を伝えてくれた。
僕らもそんなMr.Childrenに対して感謝を表現した。
お互いに"僕の方こそありがとう"という歌詞ぴったりの一年だった。
そして本日5月10日。FC限定ライブ、新曲発表、新アルバム発表、ツアー発表…etc、色々な妄想を膨らませ待ちに待った31周年記念日。悲しいことに足音ダイアリー更新で終わってしまった。
apbankが7月に迫り、秋にはウカスカジー10thと桜井和寿は忙しいと思うが、やっぱり4人での音を長く聴きたい。いずれ来る日を楽しみに待つ。
感謝
9連休のGWが終わる。
小中幼馴染み、高校の友達、前職での後輩、現職仕事仲間、ライブ仲間、狭い人間関係のなかで久しぶりに幅広く色んな人に会うことが出来た。
23年近くの付き合いの幼馴染、高校の友達も出会って10年、未だに集まれるのは幸せなことだ。
前職も現職も人間関係や人事、繁閑具合、目紛しく変わっている。会社絡みと言えど、繋がりは嬉しい。
県外でも定期的に遊んでくれる7年来のライブ仲間、ずっと仲良くしてくれてありがとう。
"世間知らずだった少年時代から自分だけを信じてきたけど 心ある人の支えの中で 何とか生きてるいまの僕で"
Mr.Children『Everything(It's you)』
"僕の方こそありがとう"
Mr.Children『GIFT』
3歳からの腐れ縁から、出会って半年も満たない人まで、その人たちの支えのお陰でいまの自分があると思える。そしてなにより
"僕の方こそありがとう"
人間関係に於いてこの気持ち、これから大切にしていきたい。
果断
2022年、夏の終わり頃にふとスマホも持たずに夜のドライブをしたことがあった。
Mr.Children『I wanna be there』
をひたすら聴きながら。
"必要なもの 足りないもの
そうだ そのままに感じること
生きてることにもっと感謝して生きていたい"
"I wanna be there
「アンタらしいね」って微笑んで
さみしそうに見送ってくれないか"
当時25歳、仕事や人生に関して不安が多かった。
一度それらを忘れ、一人で見知らぬ土地へ旅に出たいと強く思っていた。しかしそれを実行するにも不安が付き纏う。その不安を払拭させ、背中を押してくれた楽曲が『I wanna be there』だった。
数ヶ月後、2泊3日の東北4県一人旅に出た。
出会ったひと、初めての景色、全てに感動した。
そして転職し、8年勤めた会社を辞めた。
それから半年余り、今は楽しく未来に希望を持って過ごせている。
この楽曲が持つ本来の強さは、人生の大きな選択する際の不安を一押ししてあげるような曲だと思う。
けれど、ポケットから出せるくらいのサイズ感で身に着けていれば、人生の強い味方で居てくれる楽曲だと感じている。
その先に"なにか"があるなら、なにか"希望"が見えるなら、そこへ行く価値は大いにあると思う。
夏時間
2023年は暖かく例年より早く桜が咲き、その分早くに散ってしまった。いつになく体感では4月が早く過ぎていった。
徐々に夏の気配を感じ始めるこの季節を、いま過ごしてるこの時間を少しでも長く感じたい。
そんな今だからこその1曲を書き記したいとおもう。
BiSH『summertime』
"Do you feel summertime on the radio in your head?"
Oh no! Various people fail to notice anything.
"The smell of summer goes away the way,
(but don’t hurry to make up day)
Your life goes on. It’s a new day."
初夏を感じるこの季節にぴったりの、透き通るように爽やかな、涼しい風が流れるようなサウンド。
この楽曲が更に輝く季節にはBiSHは居ない。
だからこそいま聴きたい、聴いていたい1曲。